スターバックスを利用してると、ふとロゴの変遷やロゴに描かれたセイレーンの意味、ロゴの色(特徴的な緑色)の意味が気になってきます。
また、「スタバのロゴはいつ変わったのか?変更にはどんな歴史があるのか?」、ロゴ変更の理由も含め、さまざまな疑問が浮かんできます。
中には初代スタバのマークが怖いと感じたり、「スタバのマークの都市伝説(スタバのロゴが近づくという噂 / スタバのマークをひっくり返すとどうなるのか?)」「そしてロゴにある「☆/R」はどういう意味なのか?」といった疑問もよく聞きます。
この記事では、そんなスターバックスのロゴにまつわる様々な謎について解説していきます。
- ロゴに込められた意味やデザインの秘密
- 4回にわたるロゴ変更の具体的な歴史
- ロゴが変更された背景にある戦略的な理由
- ロゴにまつわる興味深い都市伝説の真相
【計4回】スターバックスのロゴの変遷の歴史
- 【ロゴ変更の歴史】いつどのように変わった?
- ロゴのセイレーンが持つ意味とは?
- スタバのロゴの色の意味を解説
- スタバのマークが怖いと言われる理由
- ロゴの「☆/R」はどういう意味?
- スタバのロゴ変更の理由とは
【ロゴ変更の歴史】いつどのように変わった?

スターバックスのロゴは、創業から現在までに大きく4回変更されています。それぞれの年代でデザインがどのように変わっていったのか、その変遷を見ていきましょう。
年代 | デザインの特徴 | 色 |
---|---|---|
1971年(初代) | 木版画風の写実的なセイレーン(全身)。「COFFEE, TEA, SPICES」の文字入り。 | 茶色 |
1987年(2代目) | セイレーンがよりシンプルで現代的なイラストに。 「TEA, SPICES」の文字が消え、「COFFEE」のみに。 | 緑・黒・白 |
1992年(3代目) | セイレーンがさらにクローズアップされ、顔と上半身がメインのデザインに。 | 緑・黒・白 |
2011年(4代目・現行) | 外側の円と「STARBUCKS COFFEE」の文字がすべて無くなる。 セイレーンのシンボルマークのみに。 | 緑・白 |
このように、ロゴは時代と共に情報を削ぎ落とし、よりシンプルで象徴的なデザインへと進化してきました。ブランドの成長と自信が、ロゴの変遷にも表れていると言えるでしょう。
また、スタバ以外のロゴの多くもシンプルになっているので、敏感にトレンドの変化をキャッチアップした結果とも考えられます。
ロゴのセイレーンが持つ意味とは?
スターバックスのロゴに描かれている象徴的な女性は、ギリシャ神話に登場する「セイレーン(Siren)」という二つの尾を持つ人魚です。
神話においてセイレーンは、美しい歌声で船乗りを魅了し、惑わせたとされています。この物語になぞらえ、スターバックスは「コーヒーの香りで世界中の人々を魅了したい」という強い想いをロゴに託しました。人々を惹きつけてやまない存在であるセイレーンは、まさにブランドの顔としてふさわしいモチーフと言えます。
このセイレーンのデザインは、創業メンバーが古い海洋書を調べている際に発見した、16世紀のノルウェーの木版画が元になっています。神秘的で、どこか人を惹きつける魅力を持つ木版画のセイレーンに、彼らは一目で魅了されたと言われています。
豆知識:スターバックスの名前の由来
ちなみに、「スターバックス」という名前は、ハーマン・メルヴィルの小説『白鯨』に登場するコーヒー好きの一等航海士「スターバック(Starbuck)」と、シアトル近郊の採掘場「スターボ(Starbo)」から着想を得ています。セイレーンという海のモチーフは、港町シアトルで生まれたブランドのルーツとも深く結びついているのです。
スタバのロゴの色の意味を解説
今でこそスターバックスのブランドカラーは「緑」として広く認知されていますが、創業当初からこの色だったわけではありません。
1971年の初代ロゴは、コーヒー豆や焙煎をイメージさせる「茶色(コーヒーブラウン)」でデザインされていました。これは、当時スターバックスがコーヒー豆の焙煎・販売を主業務としていたことをストレートに表現する色でした。
現在もおなじみの緑色が採用されたのは、1987年の2代目ロゴからです。
この緑色は「スターバックスグリーン」とも呼ばれ、ブランドイメージを構築する上で非常に重要な役割を担ってきました。緑色が持つ、フレッシュさ、成長、そして安らぎやリラックスといったイメージは、スターバックスが目指す「サードプレイス(家庭でも職場でもない、第3のくつろげる場所)」というコンセプトと見事に合致しています。利用者に心地よい時間を提供したいという、ブランドの姿勢が色にも込められているのです。
スタバのマークが怖いと言われる理由

「スタバのマークは少し怖い」という印象を持つ人がいますが、その多くは1971年に登場した初代ロゴのデザインに起因しています。
初代ロゴは、前述の通り16世紀の木版画を元にしているため、非常に写実的なタッチで描かれていました。現在のデフォルメされた親しみやすいデザインとは異なり、セイレーンの表情や体のライン、二つに分かれた尾などが細かく描かれ、全体的におどろおどろしい雰囲気を持っていました。また、胸部があらわに描かれている点も、現在のロゴとの大きな違いです。
このデザインは、神話の「船乗りを惑わす海の怪物」という側面を色濃く反映しており、その神秘性が一部の人には「怖い」という印象を与えたようです。
デザイン変更の背景
この写実的で刺激的なデザインは、後のロゴ変更の要因の一つになったとも言われています。ブランドが成長し、より多くの人々に受け入れられるためには、よりシンプルで親しみやすいデザインへの変更が必要だったのです。
ロゴの「☆/R」はどういう意味?
過去のスターバックスのロゴ(1987年、1992年版)を見ると、円周の文字の間に「☆(星)」マークや「/R」のような記号が配置されているのが分かります。
まず「☆」マークですが、これは主に「STARBUCKS」と「COFFEE」という単語を区切るための装飾的な役割を持っています。デザイン上のアクセントとして配置されており、特別な意味を持つものではないとされています。
一方で、文字の右上に小さく添えられている「R」を丸で囲んだようなマークは、法的に重要な意味を持ちます。これは「®マーク(レジスタード・トレードマーク)」と呼ばれ、そのロゴが特許庁に正式に登録された「登録商標」であることを示しています。これにより、他社が類似のロゴを無断で使用することを法律で禁じ、ブランドの権利を守っているのです。
®マークの意味
「®マーク」は、単なる飾りではありません。これは、スターバックスというブランド名とロゴが、知的財産として法的に保護されていることを示す重要な印なのです。
スタバのロゴ変更の理由とは
スターバックスが複数回にわたってロゴを変更してきたのには、ブランドの成長戦略と密接な関係があります。
最初の大きな変更である1987年は、ハワード・シュルツがブランドを買収し、コーヒー豆の販売店から、現在のようなシアトルスタイルのカフェへと事業を拡大していく転換期でした。より多くの大衆にアピールするため、ロゴもユニバーサルで親しみやすいデザインに変更されたのです。
1992年の変更では、セイレーンをさらにクローズアップすることで、シンボルとしての認知度を高める狙いがありました。
そして最も大きな変化が訪れたのが、創立40周年を迎えた2011年です。このとき、ロゴから「STARBUCKS」と「COFFEE」の文字が完全に取り除かれました。この大胆な変更の裏には、「もはやコーヒーだけの会社ではない」というスターバックスの強い意志が込められています。紅茶ブランドの買収など、コーヒー以外の分野へも事業を多角化していくという未来へのビジョンを示すためのロゴ変更だったのです。
当時のCEO・ハワード・シュルツ氏は、この変更について「セイレーンを輪の中から解放してあげた」と語っています。文字の制約から解き放たれ、セイレーンのシンボルだけで世界中の人々とコミュニケーションできるブランドに成長した、という自信の表れと言えます。
(参考記事:The Starbucks Logo Evolution: How History Made This World Famous Logo)
スターバックスのロゴと変遷にまつわる色々な謎
- スタバのロゴは近づくって本当?
- スタバのマークにまつわる都市伝説
- スタバのマークをひっくり返すと…?
- まとめ:スターバックス ロゴ 変遷の軌跡
スタバのロゴは近づくって本当?
スターバックスのロゴにまつわる有名な噂の一つに、
「ロゴのセイレーンが年々近づいてきている(アップで大きくなってきている)」
というものがあります。
実際に歴代のロゴを並べて比較してみると、興味深いことが分かります。
- 1971年版:セイレーンの全身が描かれている。
- 1987年版:少しだけセイレーンがアップになる。
- 1992年版:上半身がメインとなり、かなりクローズアップされる。
- 2011年版:さらに大きく描かれ、顔がより印象的に。
このように、デザインが変更されるたびにセイレーンがカメラに寄ってくるように見えることから、「近づくロゴ」として話題になりました。これが意図的な演出なのか、あるいはデザインを洗練させていく過程でシンボルを大きく見せるようになった結果なのか、公式な見解はありません。しかし、この変化が様々な憶測や都市伝説を生むきっかけとなったのは事実です。
スタバのマークにまつわる都市伝説
世界的に有名なブランドの宿命か、スターバックスのロゴにも様々な都市伝説が存在します。
最も有名なのが「フリーメイソンとの関連説」です。ロゴが近づく先に、最終的にはフリーメイソンのシンボルである「プロビデンスの目」になるのではないか、というものです。もちろんこれは根拠のない噂話ですが、ロゴのミステリアスな雰囲気がこうした憶測を呼ぶのかもしれません。
また、「サブリミナル効果説」も囁かれています。ロゴの一部を加工すると、画家のムンクの代表作『叫び』に似た形が浮かび上がり、これによって無意識のうちに「コーヒーが飲みたい」という強迫観念を植え付けている、という説です。
計算された非対称のデザイン
一方で、意図的にデザインされている秘密もあります。実は、現在のロゴに描かれているセイレーンの顔は、わずかに左右非対称に作られています。向かって右側の鼻筋が少し長くなっているなど、微妙な違いがあります。完全なシンメトリー(左右対称)にすると機械的で冷たい印象を与えるため、あえて人間らしい不完全さを加えることで、親しみやすさを演出しているのです。
スタバのマークをひっくり返すと…?
「スタバのマークをひっくり返すと、別のものが見える」というのも、インターネット上で時折話題になる遊び心のある噂です。
これは特定の見え方があるわけではなく、ロゴの複雑な線を逆さまに見ることで、見る人によって「何かの動物の顔に見える」「人の横顔に見える」など、様々な解釈が生まれるというものです。だまし絵のような感覚で、ロゴのデザインを楽しむ一つの方法と言えるかもしれません。
あくまでエンターテイメント
これらの都市伝説や噂は、いずれもスターバックスが公式に認めているものではありません。多くの人に愛されるブランドだからこそ生まれた、一種のエンターテイメントとして楽しむのが良いでしょう。
まとめ:スターバックス ロゴ 変遷の軌跡
この記事では、スターバックスのロゴがどのように変化し、そこにどんな意味が込められてきたのかを解説しました。最後に、記事の要点をまとめます。
- ロゴのモチーフはギリシャ神話の人魚「セイレーン」
- 「コーヒーの香りで人々を魅了したい」という想いが込められている
- 創業当初のロゴの色はコーヒーをイメージした茶色だった
- 現在の緑色はフレッシュさや安らぎを象徴している
- 初代ロゴが怖いと言われるのは写実的なデザインのため
- 過去のロゴにあった「☆」は装飾、「®」は登録商標の印
- ロゴは1971年、1987年、1992年、2011年の合計4回制作・変更された
- ロゴ変更の理由はブランドの成長と事業の多角化戦略にある
- ロゴのセイレーンが徐々に近づいているように見えるという有名な噂がある
- セイレーンの顔は親しみやすさを生むため、意図的に左右非対称に作られている